2006年02月12日

夜のピクニック/恩田陸

出版社/著者からの内容紹介
あの一夜に起きた出来事は、紛れもない奇蹟だった、とあたしは思う。
夜を徹して八十キロを歩き通す、高校生活最後の一大イベント「歩行祭」。
三年間わだかまっていた想いを清算すべく、あたしは一つの賭けを胸に秘め、当日を迎えた。去来する思い出、予期せぬ闖入者、積み重なる疲労。
気ばかり焦り、何もできないままゴールは迫る――。ノスタルジーの魔術師が贈る、永遠普遍の青春小説。

映画化らしいですね。榊杏奈は加藤ローサですか。詳細はここ
これはじっくり読めば読むほど味がある青春群像劇です。

融(とおる)と貴子は同じ父親でありながら別々の家庭で育ったクラスメート。
しかもただの異母ではなく貴子は融の父親の不倫でできた子。つまり貴子は融の父親の、家族の、自分の汚点。その上同時期に産まれたとなると誰にも言えません。
となると当然、思春期の2人には壁がありまともに会話をしたことがない状況。

それがこの歩行祭を舞台に、心のわだかまりや誤解なんかを解いていくんですよね。
いやー、歩き続ける歩行祭には彼らの体力の限界があったりトラブルがあったり、ただ歩いて会話してるだけなのに全く閉塞感がない。むしろ前進行為は開放的とさえ感じました。

決して甘くないし、都合よく事が運ぶわけでない、それが魅力的です。
山あり谷ありの歩行祭と、融と貴子の内面描写を同時進行させる設定を見事に描ききってると思いました。

歩くのが夜でないとこの話は展開しないんでしょう。学校で昼しか会わないクラスメートと夜中に会合すると、顔が見えないし開放的になって普段話さないことなんかも話せたりするじゃないですか。

彼らの友人も魅力的です。ちょっと鬱陶しいなーと思う少年も実はものすごくいい奴だったり、名前しか出てこない少女の存在感が偉大だったり、良作です。

夜のピクニック夜のピクニック
恩田 陸

新潮社 2004-07-31
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posted by 桃鳥 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍
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