2006年03月18日

ツ、イ、ラ、ク/姫野カオルコ

内容(「BOOK」データベースより)
森本隼子、14歳。地方の小さな町で、彼に出逢った。ただ、出逢っただけだった。雨の日の、小さな事件が起きるまでは。苦しかった。切なかった。ほんとうに、ほんとうに、愛していた―。姫野カオルコの新境地、渾身の思いを込めて恋の極みを描ききった長編小説。


生徒と先生の恋といったら甘美な雰囲気がしそうだけど、これはそんな甘々した雰囲気は感じられなかったです。

恋愛小説なんだけど、文学的で哲学的で官能的で生半可な恋愛小説とは一線を画してますね。14歳の準子や教師の河村、彼らをとりまく生徒らも純粋で情動的で卑猥で容赦がない。

集団行動の非情さ、無知であるがゆえの興味本位と恐ろしさ、何もかも怖いものみたさ的感覚で読めるのではないかと思います。

森本準子の7歳から34歳までの話ではありますが、主体となってるのは準子と河村先生が出会う中学生の頃と準子が34歳のときの話が主体。

小学生時代の心理描写、よくこれだけ詳細に書けますね。すっかり忘れてた懐かしい記憶が戻ってしまいましたよ。小学生時代の描写は面白すぎて笑う。このセンスは圧巻。

あとがきによると、時代設定はなく19XX年とだけ。XXには読者の好きな年号を当てはめればいいそうです。舞台も関西界隈の田舎とだけわかるようになっていて、これも特別な地域設定があるわけではないのですが、さすがに登場人物らの方言でモデルとされてる地域は推測できました。

作中の方言より、作者の地元付近がモデルではないかと思うのですが、作者自身が断言されている記事を見かけた事がないのであくまで推測の域を越えられません。

姫野女史が「この本、売れてないんですよー」とおっしゃるのだから謙遜ではなく本当に売れてないんだと思います(笑)。文庫化されないねぇ。されたら買うのに。

ツ、イ、ラ、クツ、イ、ラ、ク
姫野 カオルコ

角川書店 2003-10
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posted by 桃鳥 at 01:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍
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