2006年04月15日

片想い/東野圭吾

内容(「BOOK」データベースより)
十年ぶりに再会した美月は、男の姿をしていた。彼女から、殺人を告白された哲朗は、美月の親友である妻とともに、彼女をかくまうが…。十年という歳月は、かつての仲間たちを、そして自分を、変えてしまったのだろうか。過ぎ去った青春の日々を裏切るまいとする仲間たちを描いた、傑作長篇ミステリー。


テーマは性同一性障害。
肉体と精神の性の一致・不一致とは何かを模索しつつ展開されるこの話、主人公の哲郎がスポーツライターであることをいいことに聞きこみ捜査をしすぎな感じがしました。

作中にもあったけど、肉体的性別と精神的性別が一致しないことを障害を呼ぶのはちょっと違うんじゃない?と思う。生まれる前に母体の中で性染色体に何らかの欠落があったから障害と呼ばれてるのでしょうか。

母体の中では初め誰もがXXの性染色体(女性の性染色体)であり、そこからYを持てば男子が誕生。XXのままなら女子が誕生。XXかXYか決定されるときに性染色体に何らかの障害が発生すると肉体と心の不一致が起こってしまう、という仕組み。で合ってるよね(笑)。

#性染色体がXXだと女性の肉体を持ち、心も女性
#性染色体がXYだと男性の肉体を持ち、心が男性

というのが一般的で、社会に受け入れられるのはこの2種のみ。
なぜそれ以外(肉体と心が一致しない者)は受け入れられないのか。
この辺の心理描写が濃くてせつなかったですよ。

こういった人の気持ちを理解しきってるつもりは毛頭ないけど、彼らが社会からつまみ出されるのは人権無視同然だと思う。少数派は排除したがる社会の、人間のいやらしい集団心理ですね。

書籍タイトル「片想い」は女性の肉体でありながら男性の心を持った美月の永遠の片想いを象徴しつつ、性同一性障害と呼ばれる彼らを容認しない社会に対してへのSOSの意味も込められているのです。

最後のほう、本作で語る性意識が結局はそんなふうに落ち着くのかよと少し残念。

片想い片想い
東野 圭吾

文藝春秋 2001-03
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posted by 桃鳥 at 20:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍
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