2006年05月03日

ハルカ・エイティ/姫野カオルコ

内容(「BOOK」データベースより)
滋賀県に生まれた持丸遙は女子師範学校を経て、見合い結婚で専業主婦になったが、夫はまもなく出征。太平洋戦争が勃発し、舅姑と大阪で暮らす。やがて敗戦を迎え、経済的理由から職業婦人となったことから、ハルカは女性として開花してゆく―。


フィックションでありながら星野仙一の名が出てきた時にはびっくりしました。根元はるみや内田恭子は性的な材料として名が挙げられてたけど、作劇にはなんら影響ない程度だったです。でも星野氏の名前は物語の中に一応入ってた。

戦前生まれのハルカの一代記みたいなものでしょうか。
凡人でありながら一通りの経験をこなしていく様がユーモラスに書かれてて全く飽きない。
戦前生まれであっても考えること、することは現代と根本は同じなのである。

女学生からまもなく妻になり母になり、実際「女」として目覚めたのが30代。ハルカが30歳過ぎたあたりから彼女の長所が満遍なく披露されてたと思います。

よく女優さんで30歳過ぎたらもう女優生命終わりかなと思えてしまう人と、年を重ねてますます磨きがかかったなーと思う人がいるけどハルカは完全に後者のほうです。といってもハルカは一般人ですが。

ハルカが浮気して、夫の大介も浮気して、これを糧に夫婦関係が盛り上がるってすごい間柄だな。
しかも浮気相手にふられたハルカが夫に慰めてもらうって・・・。
そんなところが魅力的な夫婦で長続きの秘訣なんです。

人とは少しずれた感性の持ち主である彼女のポジティブ・シンキングは一つ間違えるとオツムの弱い女性になってしまうけど、ハルカは違う。誰も煙たがらないし、彼女自身が回りを明るくしてる。
ハルカが楽しいと読者も楽しくなる、そんな本でした。

「ハルカの姪(秋子)は小説家であることを郷里の知人にも親戚にも伏せている」という設定は姫野女史自身のことでしょうね。もっとも今は皆にばれてるそうですが。

ラップのようなテンポで書かれた姫野女史の哲学文はいつも面白いなー。

ハルカ・エイティハルカ・エイティ
姫野 カオルコ

文藝春秋 2005-10-14
売り上げランキング : 194,793

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


posted by 桃鳥 at 01:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのTrackBack URL

×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。