2006年05月26日

さまよう刃/東野圭吾

内容(「MARC」データベースより)
不良少年たちに蹂躙され死体となった娘の復讐のために、父は仲間の一人を殺害し逃亡する。世間の考えは賛否が大きく分かれ、警察内部でも父親に対する同情論が密かに持ち上げる。はたして犯人を裁く権利は遺族にあるのか?


非の打ち所がない傑作でしょう、これ。

妻の形見でもある娘が蹂躙され殺され、復讐を目論む長峰の怒りや苦悩に感情移入してしまい最後は泣けました。娘と父親という対異性の構図がこれまたやるせない。警察に逮捕されることも承知の上で、復讐に走る長峰。妻が生きていたら彼の行動はまた違った形で現れてたかもしれない。

少年法に一石を投じた重いテーマながら飽きずに読破できたのは、被害者の遺族の恨み辛みだけでなく、職業上本音を押し殺して捜査を遂行せざるをえない刑事の胸の内、蹂躙・殺害現場にこそいなかったものの仲間を止めなかった少年、など各々の想いが錯綜しているからだと思う。

物語が進むポイントとして仲間を止めなかった少年の自供があるのですが、なんだかなー、結局自分がどう逃れるか、警察にチクったら後から逆恨みされないか、とか計算に計算を練って自分のことばかり考えてるバカでした。殺人に直接手を加えてなくても、仲間が少女を拉致して何をしようと考えているのか承知の上で行動を共にしてたんだからテメーも被害者に対して謝罪の念を持ちやがれ!と思いました。

話の内容が内容なだけに女子高生コンクリ殺人事件を思い出さずにはいられない現実味があり、正直読んでて辛かった。事件を風化させないためにも、こういう内容の本の存在は重要だと思う。

さまよう刃さまよう刃
東野 圭吾

朝日新聞社 2004-12
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posted by 桃鳥 at 23:05 | Comment(0) | TrackBack(2) | 書籍
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(書評)さまよう刃
Excerpt: 著者:東野圭吾 不良少年達に蹂躙され、死体となって発見された娘の復讐をするため、
Weblog: たこの感想文
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さまよう刃/東野圭吾
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