児童相談所の所長・山野は、増え続ける児童虐待の報告に頭を抱えていた。その増え方は、明らかに異常だ。児童虐待で始まった違和感は、刑事事件へと発展し、京都の町は瞬く間に無差別殺人によるパニックに陥った。だが、無差別に見えた殺人には、実はある一つの「法則」が隠れていた―。人類進化の最終形態を、戦慄すべきヴィジョンで提示した、恐るべき予言の書。第6回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作。
ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作。
プロローグ、うげっ、グロナマ。
グロイの大丈夫なんですど、未熟児のあらぬ姿を描写したものだけは私ダメ。
純真無垢な人はこの本受け付けないかも。それでも涙するシーンはあります。
ひたすら殺戮ですよ。街中で親が子を殺すという法則には作中、科学的説明があって新種の人類を進化させるためなんだとか。
新種を繁栄させるには旧種を滅ぼさなければいけないという人の本能(?)が我が子殺しの原因。
子を手にかけてしまった親の心情がどんなものか、自分を殺そうとした親の屍に情を注ぎ続ける子供の優しさ、極端だけど家族のあるべき姿を見た気がします。
昔より身内殺し関連の事件が明らかに増加しているこのご時勢に我が子殺しの本なんて読みたくないかも知れないけれど、このご時勢だからこそ読んでみるべき一冊だと思いました。
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