2007年03月30日

空飛ぶタイヤ/池井戸潤

内容(「BOOK」データベースより)
トレーラーの走行中に外れたタイヤは凶器と化し、通りがかりの母子を襲った。タイヤが飛んだ原因は「整備不良」なのか、それとも…。自動車会社、銀行、警察、週刊誌記者、被害者の家族…事故に関わった人それぞれの思惑と苦悩。そして「容疑者」と目された運送会社の社長が、家族・仲間とともにたったひとつの事故の真相に迫る、果てなき試練と格闘の数か月。


読了後の第一印象としては「映像化も時間の問題ではないか」でした。

零細運送会社の所有するトレーラーが走行中に脱輪し、近くにいた母子に直撃。運送会社の整備不良の容疑からはじまり、自動車会社の構造的欠陥の発覚、隠蔽、リコール隠しとこれは言わずと知れたM自動車のリコール隠し問題をモデルにしたとしか考えられません。

整備不良の容疑をかけられた運送会社は世間からのバッシング、大口取引先の離反、事故時の積荷補償請求、銀行融資の拒絶、事故に便乗しての融資全額返済要求、それから赤松社長個人に関しては脱輪事故が原因での子供同士のいじめや父兄同士の対立など、問題は次から次へと芋ずる式に飛び出して目がまわりそうです。

赤松社長が自動車会社から蔑まれてもめげることなく戦う姿はまさに社長の鏡です。社員に助けられ、自分に非がある場合は平社員だろうと頭を下げ、自分の足で事故の真相を手繰り寄せる。どんなに心労が激しくても家庭の問題を軽視しない。もちろん赤松社長の忍耐力には脱帽ですが彼を取り巻く人間関係の濃厚さは社長の人のよさを反映しているといってもいいでしょう。

遺族についての描写がほんの少ししかなかったにも関わらず内情心理が痛いほど感じられて目頭が熱くなりました。まさかこの本で泣くとは・・・。

そんなわけで赤松社長が憎き自動車会社の社員を顔を真っ赤にして罵倒する数々の場面では「地上の星/中島みゆき」が脳内を流れ、リコール隠しを認めさせた最後には「ヘッドライト・テールライト/中島みゆき」が支配してしまいました。

空飛ぶタイヤ空飛ぶタイヤ
池井戸 潤

実業之日本社 2006-09-15
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posted by 桃鳥 at 23:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍
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