2007年05月06日

愚行録/貫井徳郎

出版社 / 著者からの内容紹介
一家を惨殺した≪怪物≫はどこに潜んでいたのか? さまざまな証言を通して浮かび上がる家族の肖像、そして人間たちの愚行のカタログ。痛切にして哀切な、『慟哭』『プリズム』を凌駕する著者の真骨頂的作品、ついに登場!


閑静な住宅街での一家四人惨殺事件。犯人の侵入経路は浴室の窓。これだけ聞くと世田谷の一家惨殺事件を思い出さずにはいられない。本件の被害家族のバックグラウンドは本作のそれとは全く別のものです。

インタビュー形式で被害家族の実像に迫るというのは『ユージニア』(恩田陸・著)や『Q&A』(同・著)、『理由』(宮部みゆき・著)を彷彿させるものがあるけど、これらと決定的に違うのがインタビュアー、本作でいうルポライターの存在の大きさ。ルポライターが一家惨殺事件を取材する理由、ルポライターの正体。そもそも彼は本当にルポライターか、と。最後にはふんぎゃーと踏ん反り返ったぞ。

被害者夫婦の旧友と同僚と近所付き合いのある主婦の話で本作は構成されており、ルポライターのセリフは一言もなし。
終盤あたりからルポライターの真意が見えてきてゾガーと恐ろしくなりました。初めは全く気にならなかったルポライターの存在が最後には巨大な影に思えるの。目に見えないものこそ恐ろしい。別に幽霊でしたー、なんてオチじゃないよ。

被害者夫婦の大学時代の友人が明かす人物像と、会社の人間が話す夫の顔、ご近所の知る妻の姿、共通する部分があったりなかったり。
それにしても女性の裏の顔や嫌らしい真相心理を見抜くのはやはり女性の得意技ですな。

愚行録愚行録
貫井 徳郎

東京創元社 2006-03-22
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posted by 桃鳥 at 01:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍
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