以下、ネタバレ感想です。
思春期の少年が味わう甘酸っぱい恋にキュンキュンしていたら途中からどす黒いモヤモヤが胸に蠢く展開。思いもよらずダークです。
死んだ人間からの手紙“死後文”。何故にカタカナなのか大いに意味がありそうなので見守っていきたいです。
何者かに殺された綾瀬竹蔵。彼のシゴフミの宛て先は娘の明日菜本人ではなく明日奈の恋人ということになってはいるが、父親自身娘に恋人がいるかどうか確認できていない模様。ここが少し不可解。恋人がいると竹蔵がわかっているのなら「娘を頼むぞー」とかいう親子愛で泣かせる方向にいくのかなとも思うのですが、何か変。居るか居ないか判別できない状態とはいかに。
明日奈に恋人らしいい恋人がいないということで彼女に想いを寄せる町田翔太がシゴフミの受取人になるべく一世一代の大告白を・・・・するつもりがなかなか出来なくて、ものすごく等身大。この辺に甘酸っぱさを感じるのだけれど、先ほど記述した身体を駆け巡るモヤモヤはこの後の描写でした。
自分の人生をを捨ててまで妹に希望を託す優しき少女が父親殺しの犯人だとなればその理由は数少ないのではないでしょうか。父親の写真が凶悪犯のようなツラだったのはきっと伊達ではないのでしょう。年頃の長女と、これから年頃に向かう次女。父子家庭。最低最悪のパターンを想像して重くなりました。
サブタイトル「コクハク」は翔太の愛の告白という意味と殺された竹蔵の愛憎からくる告発という意味が混在しているんだとわかると同時に本作の重さを感じ取りました。
故人からの手紙がテーマだっていうから江原啓之氏の番組のようにもっと魂救われる話かと思ったら甘くないみたい。でもそんな切ないだけじゃ終われない所に惹かれたのだけれど。
※只今、ライブドアブログさん宛てのトラバが飛ばなくなってます。もう少しチャレンジしてみます。