アゲハ隊はワルサワの民族浄化によって望まれず産み落とされたという過去。
前話、第49話「シャウト・トゥ・ザ・トップ!」の感想で、デューイは混じりっ気が嫌いで、異文化コミュニケーションを不浄のものと考える潔癖症人間なんじゃないか、と書きましたが民族浄化で生まれた純潔人をデューイが拾ったのもこれらの含意があると思うのです。
子ども達の出生にどんなエピソードがあろうとも彼から見たアゲハっ子らは純然たる血の持ち主だという事実が全てで、悲しいかなアゲハっ子に同情して拾ったのではないのでしょう。
しかしアゲハ隊から見れば、穢れた自分達を拾ってくれた命の恩人と泣きつくからやるせない。(追記:もしやアゲハ隊は混血人?大きな勘違いをしたかも。自民族の、より濃い血統を持つ人間として産み落とされたんだと・・・)
ユルゲンスはアゲハ隊に人としての倫理を諭しつつ、多大なる才能を発揮する場を与えてくれそうです。でもやっぱりまずは人と人とのコミュニケーションや感情を豊かにすることが先だね。
アクセルじっちゃんの人間味と中の人の演技にやっぱりやられました。ゴンジイがコーラリアンだったというサプライズはサービスでしょうか。実はこれが一番驚いた。ゴンジイ、眼開くと怖いよ。
Bパートのエウレカとレントンの作画は神業でした。
不殺を決め込んだレントンがエウレカと同属のコーラリアンを殺したことについては賛否がありそう。デューイの不始末を背負い込んだんだろうけど、ここはホランドになんとかしてほしかったなぁ。
月にハートはちょっとおとぎ話っぽくて余計だったような。
レントンの顔の輪郭がややシャープになりましたね。
進化を遂げたtype ZEROのコックピットがThe ENDに似てたのはいいけど、丸い通信モニターがどうにもサザエさんとかドラえもんの本編終了時っぽくてハァ〜?と思ったです(笑)。
挿入歌は「sakura」。OPの代わりでしょうか。
聴きなれたOPより作品の始まりを飾った「Days」の方がハッとするんだろうけど、作中に桜の花びらやピン止めが登場することを考えるとやはり「sakura」のほうが相応しいんだろうな。いくつかある桜の花言葉で本作に一番合ってそうなのは「精神美」。レントンとエウレカはもちろん、待つ側にまわった者、再建を試みる星の住人たち全てに当てはまるんでしょう。健全な精神こそ精神美。
ユルゲンス艦長「その時できる最大のことをやる」と言って月光号に燃料を分け与えてました。やっぱり脇役が地味にいいなぁ。あぁ、でも軍帽は脱がないほうがいいかも。
ユルゲンス「ニュースで伝えられなかったことは民衆にとってなかったこと」
【追記】「レントンサーストン希望の丘公園」の名を持つ公園があるくらいだからレントンは英雄として語り継がれてたってことですね。
「姿を消す者とそれらを待つ者」という構図は既視感ありありでしたが、司令クラスターが代理という形でエウレカとアネモネの首輪に施されていたという二重構造の設定が凝ってました。
<総括>
第1話が始まる2ヶ月前から楽しみにしてたエウレカセブン終了です。
現実問題とリンクする問題提起、主要人物の死を最小限に抑えた奥行きのあるエウレカセブンに拍手です。後半から惜しみなく登場した吉田氏の描き下ろしの絵もサービス精神旺盛でよかったし、あらゆる元ネタ探しも面白かったです。難しかったけど。何より健全だった。
恒例の感想読み歩きがなくなるのは寂しいですねぇ。盲点を付くような他所さまの感想にハッとしたり賛否両論の意見にニヤリとしながら楽しませて頂きました。
感想サイトさまも、閲覧専門の方も、制作及び製作スタッフの方もお疲れ様でした。
エウレカセブン目的でうちに来てくださった方も、TBやコメントでお世話になった方もありがとうございました。